陸屋根は、一般的な傾斜のある屋根と比べて雨水が流れにくいため、防水層と排水設備によって建物内部への雨水の侵入を防いでいます。
陸屋根の防水層は、紫外線、雨風、気温の変化、人の歩行、室外機や配管などの設備による負担を受け続けています。
定期的な点検やメンテナンスを行わずに放置すると、ひび割れ、膨れ、剥がれ、水たまりなどが発生し、雨漏りにつながることがあります。
ただし、陸屋根のメンテナンスには、表面を保護するトップコートの塗り替え、部分補修、防水層全体の改修など、複数の方法があります。
現在の防水工法や劣化状況を確認し、必要な施工を選ぶことが重要です。
この記事では、陸屋根に防水メンテナンスが必要な理由、確認したい劣化症状、メンテナンス方法、工事を検討するタイミングについて解説します。
この記事で分かること
- 陸屋根の特徴と防水が必要な理由
- 陸屋根に現れる主な劣化症状
- トップコート・部分補修・防水改修の違い
- メンテナンスを検討するタイミング
- 防水工事業者へ相談した方がよい状態
陸屋根とは
陸屋根とは、一般的な三角形の屋根とは異なり、傾斜が小さく、ほぼ平らな形状をした屋根です。
「りくやね」または「ろくやね」と呼ばれ、マンション、ビル、工場、倉庫、店舗、鉄筋コンクリート造の住宅などで多く見られます。
陸屋根は、屋上へ室外機や設備を設置しやすく、点検スペースや屋上空間として活用できる点が特徴です。
一方で、傾斜屋根のように雨水を屋根材だけで流す構造ではないため、床面に施工された防水層が重要な役割を担っています。
陸屋根にも排水のための勾配がある
見た目には平らに見える陸屋根でも、通常は雨水を排水口へ流すための緩やかな勾配が設けられています。
しかし、排水口の詰まり、下地の変形、防水層の膨れなどがあると、雨水が流れずに水たまりができることがあります。
陸屋根に防水メンテナンスが必要な理由
陸屋根の防水層は、屋外環境の影響を直接受けます。
施工直後の状態が永久に続くわけではなく、時間の経過とともに表面や防水層が少しずつ劣化します。
紫外線や雨風の影響を受けるため
陸屋根は日差しを遮るものが少なく、長時間紫外線を受けます。
紫外線や雨風の影響によって表面のトップコートが色あせたり、防水材が硬くなったりすることがあります。
気温の変化で材料が伸び縮みするため
屋上の表面温度は、季節や時間帯によって変化します。
防水層や下地が伸び縮みを繰り返すことで、ひび割れや継ぎ目の開きが生じる場合があります。
水がとどまりやすい構造だから
排水口の詰まりや勾配の変化があると、屋上に水が残りやすくなります。
水たまりが長期間繰り返される場所では、防水層へ継続的に負担がかかります。
設備工事や人の歩行による影響があるため
室外機、配管、アンテナ、太陽光パネルなどが設置されている陸屋根では、設備の固定部分や基礎周辺も確認する必要があります。
メンテナンス作業や設備工事の際に、防水層へ工具を落としたり、重い設備を引きずったりすると、傷や破れの原因になることがあります。
表面の小さな劣化を早めに見つけることで、補修範囲を抑えられる場合があります。
陸屋根で確認したい主な劣化症状
陸屋根の防水メンテナンスを検討するときは、床面だけでなく、排水口、立ち上がり、外周部、設備周辺なども確認します。
表面の色あせ
防水層を紫外線や雨風から保護するトップコートが劣化すると、表面の色が薄くなったり、粉状のものが付着したりすることがあります。
ひび割れ
表面だけの細かなひび割れもあれば、防水層や下地まで達しているひび割れもあります。深さや範囲によって補修方法が変わります。
膨れ・浮き
防水層の内側に水分や空気が残ることで、表面が膨れたり、下地から浮いたりすることがあります。
剥がれ・破れ
防水材の剥がれやシートの破れがあると、雨水が防水層の内側へ入り込みやすくなる可能性があります。
水たまり
雨が止んでから時間が経っても水が残っている場合は、排水口の詰まり、勾配、防水層や下地の状態を確認します。
排水口周辺の劣化
雨水が集まるドレン周辺は、ひび割れや隙間、詰まりなどが起こりやすい場所です。
立ち上がり部分の剥がれ
陸屋根の床面から壁へ防水層が立ち上がっている部分は、床面との境目に負担がかかりやすい場所です。
防水層の浮き、端部の剥がれ、シーリングの切れなどがないか確認します。
パラペットや笠木のひび割れ
屋上外周のパラペットや笠木が劣化すると、床面の防水層に問題がなくても、外周部から雨水が入り込むことがあります。
室内の雨染みやカビ
最上階の天井や壁に雨染み、変色、カビ、クロスの浮きなどが見られる場合は、陸屋根からの雨水侵入が関係している可能性があります。
陸屋根の主な防水メンテナンス方法
陸屋根のメンテナンス方法は、表面の状態、防水層の劣化範囲、雨漏りの有無によって異なります。
清掃・排水口の管理
落ち葉、土、ゴミなどが排水口や側溝にたまると、雨水が流れにくくなります。
安全に清掃できる場所であれば、定期的にゴミを取り除きます。
ただし、防水層に根を張った植物や、固く付着している物を無理に剥がすと、防水層を傷めることがあります。
トップコートの塗り替え
トップコートは、防水層の表面を紫外線や摩耗から保護するための仕上げ材です。
防水層そのものに大きな劣化がなく、表面の保護機能が低下している場合は、トップコートの塗り替えを検討します。
施工前に防水層の状態を確認する必要があります。
ひび割れや端部の部分補修
劣化している範囲が限定されている場合は、ひび割れ、シートの継ぎ目、端部、排水口周辺などを部分的に補修する場合があります。
ただし、表面に見えている症状だけを補修しても、防水層の内側に水分が広がっている場合は、別の場所で再び症状が現れる可能性があります。
防水層全体の改修
劣化が屋上全体に広がっている場合や、防水層の膨れ・剥がれが多い場合、複数箇所から雨水が入り込んでいる場合は、防水層全体の改修を検討します。
既存防水層を撤去して施工する方法と、状態が良い部分を残して新しい防水層を重ねる方法があります。
どちらが適しているかは、既存防水層や下地の状態によって判断します。
ドレンや排水設備の改修
排水口周辺からの雨水侵入が疑われる場合は、ドレン周辺の防水処理や改修用ドレンの設置などを検討します。
防水工法別のメンテナンス方法
陸屋根に施工されている防水工法によって、確認する場所やメンテナンス方法が異なります。
| 防水工法 | 確認したい症状 | 主なメンテナンス |
|---|---|---|
| ウレタン防水 | 色あせ、ひび割れ、膨れ、剥がれ、塗膜の薄い部分 | トップコート、部分補修、ウレタン防水層の再施工 |
| シート防水 | シートの破れ、浮き、しわ、継ぎ目や端部の剥がれ | 継ぎ目・端部の補修、部分張り替え、全面改修 |
| アスファルト防水 | 押さえコンクリートのひび割れ、目地の劣化、露出部分の膨れ | 目地補修、部分補修、既存防水層を考慮した改修 |
| FRP防水 | 表面の色あせ、ひび割れ、剥がれ、硬い防水層の損傷 | トップコート、部分補修、FRP防水層の改修 |
見た目だけでは既存の防水工法を判断しにくい場合があります。
過去の工事資料や見積書、保証書が残っている場合は、点検時に確認できるように準備しておきましょう。
陸屋根のメンテナンスを検討するタイミング
陸屋根の防水メンテナンスは、施工からの年数だけで判断するのではなく、現在の状態を確認して検討することが大切です。
表面の色あせや細かな劣化が目立ってきたとき
表面の色あせ、細かなひび割れ、粉状の汚れなどが見られる場合は、トップコートや防水層の状態を確認します。
雨のあとに水が残るようになったとき
以前は水が残っていなかった場所に水たまりができるようになった場合は、排水口、勾配、防水層、下地の状態を確認する必要があります。
膨れ・剥がれ・破れが見つかったとき
防水層の膨れ、シートの剥がれ、破れなどは、表面だけではなく防水層の内側に問題が生じている可能性があります。
自分で切ったり上から材料を塗ったりせず、専門業者へ相談してください。
室内に雨染みが見つかったとき
最上階の天井や壁に雨染みがある場合は、できるだけ早く原因を確認する必要があります。
雨水の入口と室内に現れる場所が離れている場合もあります。
屋上で設備工事を行ったあと
室外機、配管、太陽光パネルなどの設置や交換を行った場合は、防水層が傷付いていないか、固定部分の防水処理に問題がないかを確認します。
前回の工事内容が分からないとき
建物を購入・取得したものの、過去の防水工事の時期や工法が分からない場合は、現状確認を行い、今後のメンテナンス計画を立てることをおすすめします。
陸屋根で自分でできる日常管理
安全に屋上へ立ち入れる建物であれば、建物の所有者や管理者が日常的に確認できる項目もあります。
落ち葉やゴミを確認する
排水口や側溝に落ち葉、土、ゴミなどがたまっていないか確認します。
排水を妨げる物を安全に取り除ける場合は清掃します。
定点写真を撮影する
毎回同じ位置から屋上全体や排水口、立ち上がりなどを撮影しておくと、前回からの変化を比較できます。
大雨や台風のあとに確認する
強風で物が飛んだり、排水口にゴミが集まったりすることがあります。
天候が回復し、安全を確認したうえで異常がないか確認します。
屋上に不要な物を置かない
重い物や鋭利な物を置くと、防水層へ負担がかかることがあります。
資材や設備を置く場合は、防水層を傷付けないよう配慮が必要です。
陸屋根の防水メンテナンスを放置するリスク
劣化範囲が広がる可能性がある
小さなひび割れや端部の剥がれから雨水が入り込むと、防水層の内側へ水分が広がる場合があります。
表面だけの部分補修では対応できなくなる可能性があります。
下地や建物内部が傷む可能性がある
防水層の下へ雨水が入り込むと、コンクリートや下地、断熱材などに影響することがあります。
室内の天井や壁に被害が出る可能性がある
雨漏りによって、天井や壁の変色、クロスの剥がれ、カビなどが発生する場合があります。
工場や倉庫では、製品や設備へ影響する可能性もあります。
工事範囲が広がる可能性がある
早い段階では部分補修や表面のメンテナンスで対応できる状態でも、劣化が進むことで全面的な改修が必要になることがあります。
陸屋根の点検から防水工事までの流れ
- STEP 01
お問い合わせ
建物の種類、陸屋根の状態、雨漏りの有無、気になっている症状などをお伝えください。
- STEP 02
現地確認
床面、排水口、立ち上がり、パラペット、設備周辺などを確認します。
既存防水層の種類や劣化範囲も確認します。 - STEP 03
点検結果のご説明
確認した症状や考えられる原因、補修やメンテナンスの必要性をご説明します。
- STEP 04
施工内容とお見積もりのご提案
トップコート、部分補修、防水層全体の改修など、建物の状態に合わせた内容をご提案します。
- STEP 05
下地処理・防水工事
清掃や下地補修を行い、建物に適した方法で防水工事を施工します。
- STEP 06
完了確認
床面だけでなく、端部、立ち上がり、排水口、設備周辺なども確認し、工事完了となります。
名古屋市北区の陸屋根防水は山京株式会社へ
山京株式会社では、名古屋市北区を中心に、マンション、ビル、工場、倉庫、店舗、戸建て住宅などの陸屋根・屋上防水工事に対応しています。
表面に見えている症状だけではなく、既存防水層、下地、排水口、立ち上がり、設備周辺などを確認し、建物の状態に合わせたメンテナンス方法をご提案します。
- 陸屋根の色あせやひび割れが気になる
- 防水層に膨れや剥がれがある
- 雨が止んだあとも水たまりが残っている
- 排水口やパラペット周辺が傷んでいる
- 前回の防水工事から年数が経っている
- 過去の防水工事の内容が分からない
- 雨漏りする前に一度点検してもらいたい
このようなお悩みがある場合は、現在の状態をご相談ください。
陸屋根・屋上防水について詳しく知りたい方へ
陸屋根の防水メンテナンスについてよくある質問
陸屋根はどのくらいの頻度で点検すればよいですか?
建物の状況や防水工法によって異なりますが、日常管理では季節ごとや大雨・台風のあとに状態を確認すると、変化を見つけやすくなります。
陸屋根の色あせだけでも工事が必要ですか?
色あせだけで直ちに全面改修が必要とは限りません。
トップコートの劣化なのか、防水層まで傷んでいるのかを確認して判断します。
トップコートを塗れば防水工事は必要ありませんか?
トップコートは防水層を保護する仕上げ材です。
防水層自体にひび割れ、膨れ、剥がれなどがある場合は、トップコートだけでは対応できないことがあります。
陸屋根の水たまりは放置しても大丈夫ですか?
一時的な排水口の詰まりが原因の場合もありますが、繰り返し水が残る場合は、排水設備、勾配、下地、防水層の状態を確認する必要があります。
雨漏りが起きていなくてもメンテナンスは必要ですか?
雨漏りが発生する前でも、防水層に劣化症状が出ている場合があります。
定期的に状態を確認し、必要に応じて補修やメンテナンスを検討することが大切です。
陸屋根の防水工法が分からなくても相談できますか?
はい。過去の工事資料がない場合でも、現地で既存防水層や屋上の状態を確認し、必要な施工方法を検討します。
FLAT ROOF MAINTENANCE
陸屋根の劣化や防水メンテナンスが気になる方へ
名古屋市北区周辺で陸屋根の点検・防水工事をご検討中の方は、山京株式会社へご相談ください。
現在の防水層や劣化状況を確認し、必要なメンテナンスをご案内します。





